大ヒットさせねばならない映画、それが『パシフィック・リム』

 それほど出来が良いのかというと、そんなことは無い。っていうか、「人間が中で操縦する巨大ロボが大画面で怪獣プロレス!!」ってのにロマンを感じる人間以外はきついと思う。映像はもの凄くゴチャゴチャしてる一方、ストーリーはシンプル過ぎるほどにシンプルだ。キャラも薄っぺらい。そして菊地凛子芦田愛菜ちゃんの成長した姿と言われても絶対に納得いかないけどそれはそれだ。
 端的に言ってしまえば、コイツは巨大怪獣と巨大ロボが肉弾戦してるだけの映画だ。しかし、かつて日本のロボットアニメや特撮ヒーローが輝いてた時代のライトスタッフを間違いなく引き継いでる。ドラゴンボールを筆頭に色々と台無しにしてきた何もわかってないハリウッドの屑野郎どもとは違い、このメキシコ人は日本が誇る漫画・アニメ・特撮の様式美をきっちりと詰め込んだスペクタクル作品を撮ってくれたのだ。なのに初登場6位という微妙な初動。これではデル・トロ監督に申し訳が立たない。ゾンビ映画という事実をひた隠しにして宣伝した『ワールド・ウォーZ』(初登場2位)なんかに負けてるわけにはいかんのだ(いや、これも観たら傑作かもしれんけど)。後には『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の公開も控えてる。残された時間は少ない。特撮者なら当然3作とも劇場へGOだが、先ずは『パシフィック・リム』なのだっ!