永橋流介「ゴドルフィンの末裔」

ゴドルフィンの末裔 (幻冬舎文庫)

ゴドルフィンの末裔 (幻冬舎文庫)

競馬界をモチーフにしたミステリー。
「かつて三冠馬を生産し破産した大手牧場」だとか「日高の生産者が共同出資して大コケした種牡馬」だとか、ちょっと競馬を囓ってれば元ネタがわかる設定が随所に盛り込まれてて面白い。
おかげで悪役を振られている種馬協会のお偉いさんや北海道の農水族議員まで具体名が思いついてしまう辺りが危険だけど。
主人公がJRA職員かつ競馬ライターなのにモノを知らなすぎるのはご愛敬。ご都合主義にも目を瞑れば、アクションあり、ロマンスありで、謎を追うストーリーにも引き込ませるパワーがあります。
けど、肝心の陰謀の正体が突然に非現実的。オチも弱い。